■造り手
ドメーヌ ジェラール ミレ

サンセールから4キロ離れたブエの町に位置するこの家族経営のワイナリーは、5世代にわたって存続しています。
現在の当主であるジェラールとイザベル夫妻の息子であるスティーヴがニューヨークでのインターンシップで、ブドウ栽培と醸造学、ワイン貿易の勉強を終えた2012年に仲間入りし、現在は19haのサンセールのアペラシオンを拠点として、メヌトゥ・サロンのアペラシオンにも6ha、計25haを所有し、親子でブドウ栽培から醸造、瓶詰まで全てを担っています。

サンセールはロワール川上流域のサントル・ニヴェルネ地区にあるアペラシオンで、フランスの中心部に位置します。
大陸性気候で夏と冬の気温差が大きく概ね冷涼なためシャープな酸味としっかりとした骨格のあるワインが生まれます。

各区画は土壌やその露出によって独自の特徴を示し、それがワインに個性と複雑さを与えています。
ワイナリーは環境への取り組みにも励んでおり、2020年にHVE（Haute Valeur Environnemental）高環境価値農業認証レベル3を取得しています。

■栽培畑の情報

土壌は90%が「カイヨット」と呼ばれる小石の多い石灰質土壌で白く、粘土質土壌を含まず水はけの良い区画と10%が「テール・ブランシュ」と呼ばれる柔らかい石灰岩と泥灰土を含むキンメリジャンで、カキの化石が豊富に含まれた区画から造られている。
平均樹齢35年。

■醸造方法

ブドウはセラーで選別、その後ステンレスタンクでアルコール発酵とマセラシオンを3週間かけて実施。
定期的なポンプオーバーと足踏みを行います。
マロラクティック発酵は25%をステンレスタンクで、75%を228Lの樽で行いその後18ヶ月の熟成。

■香り・味わい

レッドチェリー、クランベリー、野イチゴなどワイルドなフルーツのフレーバー、どこかキノコのような湿った香りと心地よい革の香り。
味わいは滑らかで花やリコリスとアニスの甘いスパイスの香り。
シルキーなタンニンが熟した赤い果実味が溶け合います。
繊細さもあり、野性味もある、二つの顔を持つ魅力的な赤ワイン。